1. 乳歯の役割と重要性
乳歯は生後6か月ごろから生え始め、2歳半〜3歳ごろまでに20本が生えそろいます。
乳歯には次のような大切な役割があります。
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食べるため:食べ物を噛みくだき、消化を助ける。
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話すため:発音をスムーズにする。
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永久歯の道しるべ:乳歯は永久歯が正しい位置に生えてくるための「ガイド」の役割を持つ。
つまり、乳歯が虫歯で早く抜けてしまうと、永久歯の位置がずれて歯並びが悪くなるリスクが高まります。
2. 子どもの歯磨きの始め方
0歳〜1歳:歯が生え始めたらガーゼから
最初の歯が生えてきたら、柔らかいガーゼやシリコン製の歯ブラシでやさしく拭うようにしましょう。この時期は「歯磨き習慣に慣れること」が一番の目的です。
1歳〜3歳:仕上げ磨きは必須
子ども自身に歯ブラシを持たせつつ、最後は必ず保護者が仕上げ磨きを行います。寝かせ磨きが基本で、奥歯や歯と歯の間を丁寧にチェックしてあげてください。
3歳〜6歳:自分磨き+仕上げ磨き
「自分で磨く」練習を始める時期ですが、まだうまく磨けないので必ず仕上げ磨きを続けましょう。特に奥歯のかみ合わせ部分や歯と歯の間に汚れが残りやすいので注意が必要です。
3. フッ素の活用
フッ素には歯の再石灰化を促し、むし歯に強い歯を作る働きがあります。子どもの歯を守るには、フッ素をうまく取り入れることが大切です。
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フッ素入り歯磨き粉:年齢に合わせた濃度を使用する(3歳未満は500ppm、6歳以上は1000ppmなど)。
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歯科医院でのフッ素塗布:定期的に塗布することでむし歯予防効果が高まる。
4. 食生活とむし歯予防
むし歯は「食べ方の習慣」と深く関係しています。
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だらだら食べを避ける:間食や甘い飲み物を長時間口にしているとむし歯リスクが増える。
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砂糖の量を減らす:お菓子やジュースを与える時間を決める。
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就寝前の授乳やミルクに注意:寝ている間は唾液が少なく、むし歯になりやすい。
5. 定期検診とプロケア
歯科医院での定期検診は3か月〜半年に1度が理想です。
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むし歯の早期発見
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フッ素塗布
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歯磨き指導
などを通して、家庭では気づかない小さな変化もチェックしてもらえます。
6. 子どもが歯磨きを嫌がるときの工夫
小さな子どもは歯磨きを嫌がることがよくあります。その場合は…
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歌を歌いながら楽しい雰囲気にする
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キャラクターの歯ブラシを使う
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短時間から始めて徐々に伸ばす
「無理やり」よりも「楽しく」が続けるコツです。
7. 永久歯に生え変わる時期の注意点
6歳ごろから「6歳臼歯」が生えてきます。この歯は一番むし歯になりやすい歯の一つ。
生えたては背が低く磨きにくいので、特に仕上げ磨きを丁寧にしてあげましょう。
まとめ
子どもの歯は、食べること・話すこと・将来の歯並びに直結する大切なものです。
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歯が生えたらすぐにケアを始める
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自分磨きと仕上げ磨きを両立する
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フッ素や定期検診を取り入れる
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食生活に気をつける
この4つを意識することで、むし歯ゼロを目指すことができます。
「子どもの歯を守ること=将来の健康への投資」だと考えて、ぜひご家庭と歯科医院で協力してケアを続けていきましょう。