診療・治療情報

2018.12.17

乳児から6歳までの口腔内の発達

胎児期にみられる自発運動は、妊娠後期に「今、赤ちゃんがお腹を蹴った!」などと母親にも感知できる場合があることで知られています。身体を動かす筋組織は主にアクチンとミオシンと呼ばれるたんぱくが主役となり、お互いの間に滑り込むことによって収縮しています。

そして多くのわき役たんぱく質が周囲を形作っています。

この基本的な細胞内の構造は妊娠初期に作り上げられます。

大まかな体の構造は妊娠して3か月頃には出来上がります。

では、赤ちゃんのときの咀嚼・嚥下にかかわる領域ではどうでしょう?

単純な下顎運動は妊娠11週頃に確認されています。

指しゃぶりや嚥下動作は胎生12週には始まっています。

胎児は口腔に羊水を取り込み、まだ頼りない表情筋や舌でしっかり口腔内に羊水をため、「ごっくん」と嚥下する一連の動作をかなりの時間をかけて練習していることになります。

はじめはうまくいかなくて口元から羊水がこぼれていたかもしれませんね☺

徐々に練習していく過程で、頬や舌で羊水を口腔にためる動作は咀嚼機能を発達させ、嚥下動作と協調することの重要性をしっかりと脳に叩き込んでいるのです。

そして出生までの間に、味覚、嗅覚、唾液の分泌機能などが加わっていきます。

生まれたばかりの新生児は自分の母親の匂いを好み、羊水を好むことが知られています。

これは何より胎児に味覚、嗅覚があり、それを記憶する能力までが備わっていたことを証明するものです。

咀嚼から嚥下の複雑な動作は、本能的に備わっていた機能だけではなく、実はお母さんのおなかの中で、長いトレーニングによって獲得したものでした☆

わたしたちの体には五感といって、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚があり、さまざまな情報を脳へ伝えています。これらのシステムは胎生期に構築され、修正時にはすでに機能しています。

さらに、赤ちゃん(新生児)は原始反射と呼ばれるいくつかの反射機能を備えて生まれてきます。

そのひとつに探索反射があります。

口唇周囲に何かが触れると反射的に顔を向けて口を開く動作です。

そして次に口唇反射が加わります。これは口唇に何かが触れると口唇を丸める動作をすることを言います。

また、次に始まる原始反射は吸啜反射です。

これは口唇に触れたものは何でも自動的に吸おうという動作を始める反射です。

これらの原始反射によって新生児は、母親や哺乳瓶の乳首を探し、くわえ、そして吸う動作へとつなげているのです。

新生児の原始反射のひとつに咬反射があります。

これは口腔内の歯肉部分を指で触るなどして刺激すると、下顎を噛みこむ動作をすることです。

また、授乳時にも新生児は噛みこんでいます。

乳児嚥下に噛みこむことは必要なさそうですが、乳首を口蓋と舌の間でしっかり固定させるためには、まず下顎が固定されなければなりません。

この「噛みこむ」力を新生児期にきちんと獲得することはとても重要なことです。

乳歯はだいた生後6か月くらいで萌出が始まります。

そして2歳半くらいで萌出は完了し、乳歯列として上下の歯がしっかり咬み合います。

そして6歳ごろ、最初の永久歯が萌出するまで永久歯だけの歯列として活躍します。

この時代の習慣は口腔だけでなく、全身に多くの影響を与えます。

上下で合計20本の乳歯は「正しい姿勢、正しく噛む、正しく飲む」ということが守られると、悪い癖がなければ理想的に並びます。

悪い癖は歯並びに大きな影響を与えます。

例えば指しゃぶりの癖は、つねに上下の歯の間に指が入っているため、そこにスペースができた歯並び、すなわち上下の歯がかみ合わない状態の歯並びになってしまいます。

このような状態を「歯列不正」と呼びます。

また、この時期の頬杖も大きな問題を引き起こします。

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