皆さんは歯科で歯の型どりをするときに粘土のような素材で型どりをして気持ち悪くなったり、不快に感じたことはありませんか？
近年、歯科医療の現場では「デジタル化」が急速に進んでいますが、その中でも特に注目されているのが、口腔内スキャナー「iTero（アイテロ）」です。従来のように型取り材をお口いっぱいに詰めて待つ必要がなく、スキャナーを使ってお口の中を撮影するだけで、精密な3Dデータをわずか数分で取得できる最先端の機器です。
「型取りが苦手」「嘔吐反射が出やすい」という方にとっても、iTeroの導入はまさに革命的な進歩といえるでしょう。
では、このアイテロにはどのようなメリットがあるのでしょうか？
歯科医院の現場で感じる利点を、患者さんの視点からも交えてご紹介します。
アイテロのメリットについて
1. 型取りが快適でスピーディー
従来の歯の型取りは、粘土のような印象材をお口に入れ、数分間そのまま動かずに待つ必要がありました。あの「オエッ」となる不快感が苦手な方は少なくありません。
iTeroでは、専用の小型カメラでお口の中をスキャンするだけ。触れずに光で形を読み取るため、嘔吐反射がほとんど起こらず、息苦しさや不快感が大幅に軽減されます。スキャン自体は数分で完了するため、患者さんの負担も大きく軽くなります。
2. 高精度なデータで精密な補綴物・マウスピースを製作
アイテロの最大の魅力は、その精密さです。3Dスキャンデータはミクロン単位で歯や歯ぐきの形を再現でき、わずかな凹凸や噛み合わせの差まで正確に記録します。そのため、1.セラミックの被せ物や詰め物がピッタリ合う、2矯正用マウスピースがズレにくい.3.調整や再製作のリスクが減るといったメリットがあります。
手作業の型取りでは起こりがちだった誤差や変形がなく、一度の型取りでより精密な補綴物が作れるため、治療の精度とスピードがどちらも向上します。
3. 矯正治療のシミュレーションがその場で確認できる
iTeroは、インビザライン矯正（マウスピース矯正）にも対応しています。スキャンしたデータをもとに「歯並びがどのように動いていくか」を3Dでシミュレーションできるのが大きな特長です。実際に画面上で、「矯正前」と「矯正後」の歯並びを比較しながら治療のゴールイメージを確認できるため、患者さんも治療のモチベーションを高く保つことができます。
「どんな仕上がりになるのか不安…」という方でも、視覚的に納得して治療を始められるのは大きな安心材料です。
4. データ保存と共有がスムーズ
従来の石膏模型は、保管スペースをとるうえに、時間の経過とともに変形してしまうこともありました。
iTeroでは、スキャンしたデータをデジタルで長期保存できるため、いつでも状態を比較・確認できます。治療前後のデータを見比べることで、「どれくらい歯並びが変わったか」「噛み合わせがどう改善したか」を具体的に説明できるのも、患者さんの理解につながります。
また、データは安全にクラウド上で共有できるため、技工所や他の医療機関との連携もスムーズです。
5. 治療時間の短縮と再来院の減少
精密なデータをもとに補綴物を作製できるため、噛み合わせ調整や再製作の手間が減り、
結果的に通院回数の短縮にもつながります。「何度も通うのは大変」「忙しくて時間が取れない」
という方にも嬉しいポイントです。一度のスキャンで必要な情報を正確に取得できるため、治療の効率も格段に上がります。
6. 感染対策の面でも安心
印象材を使う従来の型取りでは、材料の扱いや洗浄・消毒など、衛生面での管理が欠かせませんでした。iTeroでは、非接触型でのデジタルスキャンが可能なため、より衛生的で、感染リスクを最小限に抑えることができます。器具の先端（スキャナーチップ）は患者さんごとに交換・滅菌できるため、清潔な環境で安心して検査・治療を受けていただけます。
7. デジタル技術で進化する歯科医療
iTeroの導入は、単に「型取りが楽になる」というだけではありません。精密・スピーディー・快適という三拍子がそろうことで、歯科治療の質そのものを大きく底上げしています。
デジタルデータを活用することで、これまで見えなかったお口の細部まで確認できるようになり、
予防や経過観察にも役立ちます。「痛みが出てから行く」ではなく、「お口の変化を早期に発見する」時代へと変わりつつあるのです。
まとめ
iTeroは、患者さんにとって「快適」であるだけでなく、歯科医師にとっても「正確で効率的」な治療を実現する頼もしいツールです。精密なデータがもたらす安心感と、快適な診療体験。それが、これからの歯科医療のスタンダードになっていくでしょう。
当院では、最新のiTeroを導入し、より精密で安全な治療をご提供しています。「型取りが苦手」「矯正を考えている」という方は、ぜひ一度、デジタルスキャンの快適さを体感してみてください。
